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親の介護で感謝されないのがつらい。「ありがとう」が支援を円滑にする理由

娘の介護に感謝をしない母と、それを呆れて見ている著者のイラスト

前回の記事では、帰省の最終日に母とぶつかった話を書きました。

全力で母の望みを叶えたのに、最終日にちょっと意見したことでご機嫌を損ね、「あんたの育て方を間違えた!」と怒鳴られる始末…。

親の介護でイライラする。でも、感情のコントロールは我慢じゃなかった

この記事の最後で、お金の話以外に、「もう一つ、これから介護を続けていくうえで、どうしても伝えておきたいことがありました。」と書きました。

 今回の記事では、その話について書いていこうと思います。

目次

3日間片付けたのに感謝されない

帰宅してからは、何度か父とは電話で話をしました。

いつもなら、父と少し話をしていると、すぐに母がかわります。

でも、あの帰省以来、全く電話に出ようとしません。

明らかにまだ怒っていることが分かりました。

帰り際に意見されて腹が立ったにしても、3日間あんなに頑張って困りごとを片付けたんですよ。

電話で「ありがとう」の一言ぐらい言えないものだろうか?

心配して母に電話する著者と、娘の電話を無視する母のイラスト

実は、最終日に母にした「もう一つの話」は、まさに「感謝」についての話でした。

助けてくれる人に感謝してほしい

といっても、「私に感謝してよ」という話ではありません。

これからお世話になる方々に感謝の気持ちを忘れないでほしいという話です。

母は、人見知りが激しく、できれば父と二人でずっと家にいたい人です。

父が助けてくれるのが当然で、いよいよ困ったら、一人娘が何とかするだろうと考えています。

でも、それは無理な話です。

のんびりお茶を飲む母と、介護に疲れ果てている父のイラスト

例えば、

父が歩けなくなり、買い物に行けなくなったらどうするのか?

父が免許を返納したらどうやって病院に行くのか?

父が具合が悪くなったら、身の回りの世話をどうするのか?

「いつか困ったら娘が何とかしてくれる。なるべく他人の世話にはなりたくない」。母はずっと、そう考えていました。 

その考えを変えなければならないときが来ていることに、本人はまだ気づいていなかったんです。

家族だけで介護は続かない 

これから先の介護は家族だけでは続かない。

まず、この現実を分かってもらう必要がありました。

父も高齢になり、できないことが増えてきていることが分かったからです。

そして、私も、何かあったからといって毎回駆けつけられるわけではない。

「呼べばいつでも来てくれるのが当然」

と思われては困るんです。

でも、高齢者が長年しみついた考え方を変えるのは容易なことではないと思います。

では、どうすればいいか。

訪問介護の仕事をしていて思うことがあります。

それは、介護サービスを最初から喜んで受け入れてくれる人は少ないということです。

初めのうちは、

「来てほしくて来てもらってるんじゃないんだ」

「人の世話になんかなりたくなかった」

「まだ、ひとりで大丈夫なのに」

こんな思いが言動からひしひしと感じられます。

初めて訪問したヘルパーと、ヘルパーの仕事を厳しい表情で見つめる高齢女性のイラスト

でも、実際は、家族やご近所など、誰かの支援を受けていたから、生活が成り立っていたのかもしれません。

本人が意識していなかっただけで。

多くの場合、家族やご近所のがんばりが限界を超えたとき初めて、介護保険サービスを使おうとします。

でもそうすると、今まで自分でやってこられたと思っている本人は、他人の支援を拒絶することが多いのです。

そうならないために、

早い段階で、少しずつ、介護サービスを使いながら、他人の手を借りることに慣れておくことが大切だと思います。

本人も家族も、介護サービスを安心して受けられる練習をしておくのです。

そういう意味では、人見知りの母を要支援の段階で介護保険サービスにつなげられたのは良いことでした。

母はまだ、「人の世話にはなりたくない」オーラを放ち続けていますが。

少しずつでいいから、他人の世話になることに慣れていってほしいものです。

感謝できる人ほど、介護生活は安定する 

長年介護の仕事をしていて感じることがもう一つ。

それは、

サービス担当者と良い関係を築ける人ほど、結果的に介護生活が安定するということです。

良い関係といっても、特別なことではありません。

「お願いします」

「助かりました」

「ありがとう」

そんな一言が自然に言える人の周りには、助け合いの輪のようなものができるんです。

私自身も利用者様からその言葉をいただくと、

「喜んでもらえて良かった。また次も頑張ろう!」

という気持ちになります。

ケアマネや他のサービス担当者も同じだと思います。

介護担当者3人に笑顔でお礼を言っている高齢女性のイラスト

拒否する人には、最低限のサービスしかできない。

感謝できる人には、一緒により良い生活を作る提案ができるのです。

母にもその話をしましたが、へそを曲げていてまともに返事もしませんでした。

おわりに 

帰省の最終日に私が母に伝えた「お金の話」と「感謝の話」。

今思うと、もうちょっと優しい言い方ができなかったかなと少し反省しています。

ある日、父と認定調査の日程の話を終えた後、電話を切る間際のことです。

遠くから「ありがとう!」と大声で叫んでるのが聞こえました。

電話に出て直接言えばいいのに。そんなに私と話したくないんでしょうかね😅

今日お伝えしたかったこと

・介護は家族だけでは続かない。
・限界が来てから介護サービスを検討していては遅い。
・早いうちに、少しずつ、他人の力を借りることに親子ともども慣れておきたい。
・他人の支援を受け入れられる、感謝できるようになることで、より良い生活を一緒に考えてくれる助け合いの輪ができる。

私は介護のプロでも、親の介護は初心者です。

母のことはなかなか思い通りにはなりませんが、ぶつかりながら前に進んでいきます!

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この記事を書いた人

訪問介護14年目の介護福祉士。元サービス提供責任者。一人っ子として、片道10時間の距離で母を遠距離介護中。介護のために自分の人生をあきらめないための記録を書いています。

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